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新型コロナウイルスとリスクマネジメントのあれこれ

新型コロナウイルスとリスクマネジメントのあれこれ

こんにちは。

5月末の宣言解除以降、徐々に経済活動も回復してきましたが、最近は入院者数や重症者数はそこまで増えていないとは言えやや心配な情勢ですね。

この1ヶ月ほど様々な企業のリスク管理担当の皆様、セキュリティ担当の方々にお話をお聞きして、
皆様共通で悩まれていたポイントなど、後学のために少し記してみたいと思います。



①事業継続とサプライチェーン


製造業の皆様を中心に、年末の武漢周辺での顕在化以降
現地工場などの操業をいつ止めるか、現地の日本人駐在員をいつ撤退させるかについては、相当難しい決断を強いられたようです。
タイミングを逸した挙句、国内での感染も広がったため、未だに帰国が出来ていない方もいると聞いています。

日本人は責任感の強さもあり、最後まで現地に残ろうという方も多かったようですが、
逆に現地採用の方は「有事の際は家族優先、自国に帰る事は当たり前」というマインドがあるため、
撤退することに違和感がなかったという話もあり、今後この部分についても判断基準の見直しが必要になると思います。

また、今回の世界規模でのクライシスでは、 多数の国で同時に供給停止や物流のストップが発生したため、
サプライチェーンの分散化等の事前対策では十分機能せず、
各部門や現地法人で個別対応して乗り切った(乗り切れなかった)例も少なくないそうです。
今後はサプライチェーンマネジメント(SCM)とそのBCPを会社レベルで立案し、
維持していくことが重要になる事は間違いないでしょう。

 


②感染症対策のBCP


2月以降様々な企業で新型コロナウイルスの陽性者が発生し、
該当企業では他の従業員の健康管理、濃厚接触者の出勤停止、オフィスの閉鎖、消毒等、
暫定的な対応策の実施に奔走されていた事かと思います。

リスク対策ドットコムの調査(*1)では、感染症対策のBCPを用意していた会社は約75%あったものの、
定期的に見直しを行っていた企業は約21%程度ということで、
ゼロベースに近い状態ででBCPを構築しながら対応をした企業様も多いと思われます。

従来のインフルエンザ等と異なり、新型コロナウイルスの特徴である無症状の期間が長いことは、
これまでのBCPでもなかなか想定できなかったポイントかと思います。

すでに第2波の予兆も指摘されていますが、今後新型コロナウイルスやそれ以外の感染症へ備えた、
BCPの整備やバージョンアップが必要になるでしょう。
これまでのBCPの想定シナリオでは、首都圏または関西圏の大規模災害という想定が一般的に多かった印象ですが、
これからは複数のパターンあるいはその組み合わせでのシミュレーションと対策がMustになりそうです。

 


③テレワークの半強制展開とその余波


非常事態宣言前から業種によりますが、テレワークの実施が急速に進みました。
東京都の調べては5月上旬時点で約62%の企業が実施したということです(*2)。

普段テレワークを利用しないユーザーからの問い合わせ対応や、テレワークで各種業務を継続できるような各種設定見直しで、
実施企業のIT及びセキュリティ担当の方のご苦労は相当なものだったと聞いております。
VPN装置のキャパシティが足りなくなった、VDIのライセンスを追加した等、
急遽費用をかけてリソースを増強した企業様も多かったのではないでしょうか。

一方、半ば見切り発車的にテレワークに移行したものの、
実はエンドポイントやクラウドでセキュリティ対策がしっかりできており、
これまでのイントラネット内での多層防御が本当に必要なのか?という点で
セキュリティの根本的な見直しを行っている企業もあると聞きます。

新たな課題を提示して来ている今回のコロナウイルスですが、
我々はこれらを解決するキーワードは「テクノロジー」であると考えています。
一朝一夕では企業風土や体制は変わらないかもしれませんが、
テクノロジーの活用で効率化や可視化・予測を進める事は出来ると信じています。

今後も皆様のリスク対策の一助になるテクノロジーの活用を進めて行く所存です。


*1
https://www.risktaisaku.com/articles/-/32878?page=2

*2
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/07824/


 

 

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