
こんにちは。
クラウドの活用が進む一方で、見えにくいリスクが日々複雑化しています。
弊社では、そうした課題に正面から取り組むため、各種クラウド関連のセキュリティ対策サービスを展開しています。
これらサービスは、私たちが過去数年にわたり多くのクラウドセキュリティ案件に携わる中で蓄積した実践知をベースに構築したものです。
クラウド活用に潜む“見えにくいリスク”の可視化と対策を通じて、多くの企業の皆様の「次の一歩」に貢献できればと願っています。
クラウドセキュリティ対策の重要性
ITインフラの主役がクラウドに移って久しい今、私たちは新しい課題群に直面しています。
もはやクラウドは「オンプレの代替」ではなく、ビジネスの根幹を支える前提インフラへと進化しました。
AWS誕生のエピソードにあるような、「余剰資源の外部貸し出し」から始まったクラウドサービスは、いまや数百ものマネージドサービス群を抱え、企業の業務そのものを支える存在になっています。
しかしその利便性の裏で、「見えにくい」「管理しにくい」「誰の責任かわかりにくい」という構造的リスクも顕在化しています。
知らぬ間に広がる“シャドーIT”とその影響
オンプレミス時代には、IT部門がシステム導入から運用までを一貫して管理していました。
しかしクラウド時代の現在、事業部門がクレジットカード1枚で即日サービスを契約・利用できる環境が当たり前になっています。 その手軽さの一方で、次のような無秩序なクラウド利用が組織全体のリスクを高めているケースが多く見受けられます。
- ユーザー数が多いほどコスト効率が上がるSaaSにおいて、各部門が個別契約を行いTCO(総保有コスト)が逆に増大している
- 自社のクラウド利用ポリシーやセキュリティ要件を把握せず、事業部門が独自にサービス契約を進めてしまう
- 個人情報を取り扱うクラウドで、データセンターの所在地がGDPRなどの法令上問題となるにも関わらず、その確認が行われていない
- 現場が導入したクラウド型ファイル共有サービスに十分なセキュリティ対策がなく、重大な情報漏えいに発展した
これらは単なるヒューマンエラーや一過性のミスではなく、**「組織の構造的な問題」**に起因しています。
適切なガバナンスが機能していなければ、誰かが意図せずリスクを持ち込むのは時間の問題です。
今、企業に求められているのは、自社のクラウド利用の実態を把握し、統一されたポリシーと可視化の仕組みを整えることです。
それはセキュリティ対策にとどまらず、法令順守、コスト最適化、経営判断の透明性を支える土台でもあります。
果たして、貴社ではクラウド利用に対する「ルール」と「現実」のギャップを埋める仕組みが機能しているでしょうか?
放置されたシャドーITが明日のインシデントにならぬよう、今こそ体制の見直しが必要です。
セキュリティ対策は「技術」ではなく「統治」の課題に
クラウドのリスクは、アクセス制御や暗号化といった従来のセキュリティ対策だけでは防ぎきれません。
今、求められているのは以下のような「統治(ガバナンス)」視点での対応です:
- 契約や利用状況の可視化と棚卸し
- ID・アクセス管理(IAM)の整理と最小権限の徹底
- セキュリティログの取得と監査可能性の確保
- クラウドサービスごとの法的リスクの再評価
- 全社的なクラウド利用ポリシーの策定と啓発
特にゼロトラストの観点からは、「誰が・いつ・どこで・何に」アクセスしたかを正確に追える仕組みが重要です。
GRCSの支援内容
GRCSでは、こうした課題に対応するためのクラウドセキュリティ対策コンサルティングサービスを提供しています。
お客様の規模・業種・成熟度に応じた柔軟な対応が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
クラウドを「安全に使い続ける」ための第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

GRCS
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