なぜ今「ガバナンスDX」なのか?
近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)やサステナビリティ経営が加速する中で、「ガバナンス」の意味も拡張しています。
かつてのガバナンスは「不正の抑止」「業務の適正化」といった 守りの統治 が中心でしたが、今や 企業価値を高めるための攻めの基盤 として捉えられ始めています。
そのために必要なのが、リアルタイムで透明性の高いリスク管理体制 であり、それを可能にするのが「ガバナンスのDX(デジタルトランスフォーメーション)」です。
ガバナンスの中核であるERM(全社的リスクマネジメント)は、3線モデル(Three Lines Model) を前提としています。
線 | 担当部門 | 主な役割 |
---|---|---|
第1線 | 事業部門 | リスクの洗い出し・対策の実行 |
第2線 | リスク管理・コンプライアンス | 指導・モニタリング |
第3線 | 内部監査部門 | 評価・報告 |
このモデルは、機能的な分離と情報の循環 を前提としていますが、現実はどうでしょうか?
多くの企業では、年1回、事業部門がExcelファイルにリスク情報を記入し、メールで回収・集計される形式が取られています。
この方法には以下のような深刻な限界があります:
このような状態では、重大なリスクが見過ごされるリスク すら内在していると言えます。
「ガバナンスのDX」とは、単なるツールの導入ではありません。
情報の流れ、意思決定のロジック、組織文化そのもの を再設計する取り組みです。
DXによる主な効果:
DX化の最大の壁は、システムではなく「人」 です。
これを乗り越えるには、「業務プロセスに自然に組み込まれたDX」である必要があります。
たとえば:
つまり、「管理されている感」を持たせずに、行動そのものがDXと接続する状態 を作る必要があります。
弊社のクラウドサービス「Enterprise Risk MT」は、以下を特長としています。
今後、ガバナンスはさらに「外部からの説明責任」を問われる時代に入っていきます。
これらはすべて、「ガバナンスの透明性と持続性」が前提です。
DXを通じて記録・エビデンス・説明性を高めることは、リスクマネジメントを超えた経営戦略 そのものになるでしょう。
「ガバナンスのDX」とは、システム導入ではありません。
それは、企業が情報をどう扱い、どう決定し、どう責任を持つかを再設計するプロセス です。
私たちはそのプロセスに、現場視点とテクノロジーを橋渡しする立場 として伴走してまいります。